会員の皆様、
2023年度第2回JAGPセミナー「日米の年金・国籍・老後の日本帰国」が、Primary Financialの協賛で7月22日午後7時30分より行われました。講師は一昨年の「日米年金とWEP」セミナー同様、当会の会報で「ここが知りたい!年金―国際よろず相談」でおなじみの市川俊治氏で、今回も日本からのオンラインセミナーをしていただきました。会員・非会員また日本からの参加者を合わせて100名を超えるお申込みがあり、夕食時とはいえ80名と多くの方々が参加されました。
前半の日米の年金に関するお話では、1)日本で数年働いたが年金は受給できるか、2)国籍変更・グリンカード放棄は日米の年金受給に影響はあるのか、3)協定による日米の年金通算とは、4)日米の遺族年金の受給資格と年金額は、5)将来の年金請求への備えは、6)年金への課税はどうなるのか、7)働きながら年金を受給すると減額されるのか、8)海外から国民年金に加入した方がよいのか、9)離婚しても夫の年金はもらえるか、などについてわかりやすく話していただきました。
前半終了後、協賛スポンサー Primary Financial にてファイナンシャルアドバイザーをお務めの 岩淵デイビッド氏より、個人年金、終身年金などの情報をご提供いただきました。セミナー後半では、棚ぼた排除規定(WEP)について、日本の国民年金が WEPの適用外になった経過、および国籍と日本帰国に関するお話をしていただきました。特に、日米での国籍の仕組みの相違、二重国籍、米国籍とグリーンカード保持者の違い、日本在住の米国籍保持者が受けることのできる日本の社会保障・福祉、米国籍保持者が日本に長期滞在する際の手続き、銀行口座の開設、保持などについてご説明いただき、国籍選択にあたり考慮すべきポイントについてのお話もありました。
今回も市川氏よりセミナー内容に関し貴重な資料をご提供いただきました(以下リンクをご覧ください)。当日は市川氏の体調不良のため時間延長なくセミナーを終了させていただいたこともあり、全ての質問にお答えできませんでした。未回答の質問につきましては、後日市川氏より回答していただき、個人的な質問でない限り回答を皆様と共有させていただきました。また市川氏が話されたように、WEPのような問題を解決していくためには皆様の理解と協力が大切です。更に新しい質問、疑問がある方は市川氏の海外年金相談センター、また個人年金に関してはPrimary Financialの岩淵デイビッド氏にそれぞれメール、電話でご連絡ください。
ニュースなどでよく耳にする、年金の受給開始年齢の引き上げ、それとともに年々上がっていく私達の平均寿命、それに伴い老後は岩渕氏ご指摘のように公的年金だけには頼れない時代になってきました。人生100年時代を迎える中で、老後は突然スタートするのではなく、今の暮らしの延長線上にあり、特に日米クロスボーダーで生活している私達にとって、老後の暮らしについて考えておくべきこと、また知っておくべきことが多々あると思います。今回のセミナーを、日米年金制度や国籍問題の理解、老後の生活設計などの材料にしていただければ幸いです。
また、セミナー後のアンケートにご協力ありがとうございました。アンケート結果を踏まえ、これからのセミナーを企画し、皆様のニーズにお応えするとともに他の組織の方々との交流を強化していきたいと思います。今後とも皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
フィラデルフィア日本人会
セミナーコミッティ